MODEL CARS連載

ZACO制作室楽園デジアナ模型教室 

ネコ パブリッシングより、年6号発売のMODEL CARSで、37号から連載している記事を紹介します。MODELA,PICZAを中心に初心者にも分かりやすくデジタル環境を利用した模型製作を解説しております。実は!最初の方はデータをとばしてしまいました。とりあえず、どんなものか画像で参考にして下さい。2000/11月から月刊になりました。

連載の過去の記事INDEXはこちらです。
2005/5

ZBRUSHによるクリエイティブ

ここの所はまっているZBRUSHというソフトですが、やっと使用環境が整いまして今回その機能の一部を具体的に御紹介します。話は少しそれますが、最近かなり目がダメになりまして、眼鏡作りました。元々私、目は非常に良かったのですが、老眼+おそらくPCの見過ぎによる乱視が最近激しくなりまして、普段は必要無いのですが、本やPC作業ではかなり見えない状況で、生まれて初めて眼鏡のお世話になる事になりました。合わせてモニターもアップルのデジタル20インチ液晶を利用する事にしました。この製品は非常に良いです。結果・・見えないものがちゃんと見えました。知らない内にかなり視覚が劣化していた事が分かりました。いやー早くやれば良かった。

このZBRUSHというソフトを利用して3Dスキャンしたトヨタ7の表面整形を御紹介しましたが、こんな事はこのソフトの機能のほんの一部に過ぎません。(ただ地味ですがこれは模型家にとっては非常に便利かと思います。)このソフトが凄いのは従来の常識ではとても高価なソフトで無ければ出来無かった様な事が、そこそこのパソコンで早く、しかも驚く程軽快に作業出来るという事です。操作はいわゆる3Dモデリングソフトという感じでは無く、画像処理ソフトの様な感覚です。奥行きのデータを持った筆を使って製作するという感じで、モデリングソフトの中ではかなり個性的な存在だと思います。

詳しくは書きませんが、ZBRUSHのこの機能はピクソル(PIXOL)と呼ばれる従来の2Dの基本的なピクセル(XY座標と色情報)に深さ、方向、マテリアルを加えた事により実現しています。そしてその情報処理は非常に効率的に行われる為、動作が軽いという事なのです。昨今ゲーム等のグラフィックでは以前と比べてはるかに複雑なキャラクターが動いていますが、当然それを実現したのはPCのハード(CPU,GPU等)の進歩も在りますが、ソフト上での効率的な処理による事も大きいと思います。従来の常識では考えられなかった複雑な形(つまり元は膨大なポリゴン数のデータ)でもグラフィック動画等での処理が可能となっている訳です。

1.作例として今回は格調高く・・皆様美術の教科書等でも御覧になった事が在るかと

思いますが、ルネサンスの巨匠ボッティチェリの『ビーナスの誕生』であります。お

馴染みの六角大王でビーナスを立体化してみました。

2.以前少し説明致しましたが六角大王というのはポリゴンモデリングソフトです。描

画された画像では表面が滑らかに見えますが、 実体は次の画像の様にかくかくした

平面の集まりになっています。以前ドライバーの顔を製作する事を御紹介しましたが、

その手法は、MODELAで一度切削した後、表面を手作業で整形してRを出し、再度PICZA

機能で細かく3Dスキャンする方法でした。今回ここでやる作業は以前のこの手作業の

部分をZBRUSHを使用してPC上でやってしまうという事です。

3.このデータをZBRUSHで読み込む為にOBJという形式で書き出しました。DXF等の3Dデー

タの形式の一つです。六角〜ZBRUSHの相性はこの形式が一番良いと思いました。

4.ZBRUSHで3Dデータを読み込む場合はツールとしてインポートします。ツールとして

インポートされたデータを作業パレットに置きます。御覧の様にポリゴン数は少ない

為、表面は滑らかでは在りません。

5.デティールアップする為にポリゴンメッシュを細分化します。六角からのポリゴン

面の数は通常のPCで処理するのに適した数だと思います。これ以上面数を増やせば処

理するは普通のソフトでは大変です。しかしZBRUSHではポリゴンメッシュの操作が数

百万個クラスでも前記した様に効率的な処理から可能です。

6.細分化する為にはツール処理のDivideボタンで行います。1回やる度にメッシュは4

倍になります。細分化のレベルをどこまでやるかはその度に確認出来ます。画面で

はDivideを2回、つまり元のデータから16倍のポリゴン数になっています。

7.Divideの回数がSDiv3という表示で確認出来ます。恐れ多くもビーナスのお尻のアッ

プでございます。

8.Editブラシの機能でディテールを加える作業です。Transformパレットからツール

を選びブラシのサイズを指定して使用します。2Dの感覚で細かいディテールを加えた

り、Smooth Brushツールで凹凸を滑らかにしたりする事が可能です。家族は真剣にPC

に向かって複雑な3Dクリエイティブをやっていると思っているかもしれませんが・・

Smooth Brushツールでビーナスのお尻をいじっているオヤジをお許し下さい。(P10)

非常に簡単に紹介しましたが、かつてこの様な作業は非常に高額なソフトで無ければ

実現しませんでした。ZBRUSHももし数十万という価格ならば紹介しなかったと思いま

す。ZBrush 2 (Mac OS X版/WIN版)

CD-ROMパッケージ日本語版解説書付きで価格は69150円です。前回御紹介しませんで

したが(株)オーク  http://www.oakcorp.net/  で購入しました。

今回私が使用した方法はこの種のソフトの応用部分と言えると思いますが、3Dソフト

から実体の形を切削等で製作する我々とゲーム等でキャラクターを画面上で動かす事

を目的とする制作者との垣根が無くなって来ているという事を実感しています。

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