MC72
地球は丸い
今回は実は数カ月前に御紹介する筈だったが時間が無くやっと取り上げられた。レーザーで形状を読み込むレーザーPICZA LPX-250の紹介と関連についてお話を!趣味という価格では無いが(この記事半分はプロが見てるみたいですが・・)昨今の技術の進歩には驚かされるんであります。
紹介の前に非常に分かりやすく結論を言ってしまいます。本機の目的として現在一番お買得で在る機能は本機に添付されるソフトの『PIXF0RM』で在る。何が出来るかと言うと、早い話がこれまで僕が本連載で多用し、今回も少々御紹介のM12でも同様なのだが、僕が手でやっている事『ポリゴンデータのNURBSサーフェ−スへの変換』が可能なので在る。何だか分からない?これは、お金で表すならば現在(平成14年3月)やろうと思うとソフトだけで300万以上かかる訳です。LPX-250の価格が定価135万(ソフト付)で、後で説明するが、非接触式の本機は接触式の従来のPICZAの特性も生かして併用する事によって能力は倍増するのだが、接触式3次元スキャナーPICZAの最上機器PIX-30(298000円)を一緒にしても従来の半分程度でソフトもハードも解決してしまうという事で在る。なんて分かりやすい説明なんだろう!全世界の模型誌でこの様な説明をしている記事があるのだろーか!
さて、いきなり素人に戻り『ポリゴンデータのNURBS〜』は何かと?・・本誌NO63とNO65,66でやっていた作業でありますからバックナンバーを買え・・・もう一度説明します。(言葉で説明するのが大変なんだ)
仮に我々の住む地球がツルツルのパイパン球であったとしよう。でっ我々はその上で歩いたりしてる訳だ。水平線を見て少し丸いかな?と思っても普段は平らな所と思っているよね?曲面というのは限り無く細かい直面(カクカクの面)の繋がりと考えられる訳です。3次元データも同じでいわゆるポリゴンデータというのは曲面でもカクカクの面な訳です。NURBS(ナーブス)Non Uniform Rational B Splineというのですが、う〜ん・・理屈、概念はすっ飛ばして、早い話がカクカク面の基準点(折れ線)を元に判断された曲面という事です。
M12の記事でも紹介している様に僕は六角大王でまず折れ線(面)が少ない大体の形を作った。これが実体のポリゴンデータというもので、六角大王等ほとんどのこの種のソフトでも、これをカクカク面表示でも(実体の形状データ)ツルツル面表示(これがNURBS曲面)でも見る事が出来る。グラフィックならば実体データはカクカクでも表示が曲面ならば良いのだが、我々の様に実際にこのデータを形にする為には、最初に作った面の少ないデータの面を増やして限り無く曲面にするか。又は、早い話、このツルツル面表示の表面そのものが切削出来る実体データであれば良い訳です。しかし!そう簡単には行かない訳で、それが出来るソフトは300万以上なんですよ!それがこのLPX-250関係では安いのが魅力です。という事でございます。 御静聴有難うございました。
(工程説明画像5〜6程度)
NURBS面が切削可能データになれば全て良いという訳では無く、僕がやっている事でも多くの利点が在ると思うし、実際切削しているのは3軸加工機だから、何度も書いたが、各面を独立データとして切削、整形してPICZAで読み込み、シリコン型等を併用して後で合わせるというのは趣味や工芸品的物の製作では良い方法かと思う。『ポリゴンデータのNURBSサーフェ−スへの変換』は高度な処理で在って、例えば単純にものの形を読み込んで拡大、縮小、変形等を行い切削する。1/43を1/24に等、模型を作るという作業程度ならば、過去連載で御紹介している様な方法でMODELAの普及機MDX15/20,1台在れば出来る訳です。
さて、何だか分からない方も居るかもしれませんが・・・
1.これがLPX-250であります。中に電子レンジみたいに台が在って、ここに対象物を入れ、読み込みピッチを設定すれば台が回転し、
レーザーで形を3次元データとして取り込むという製品です。オジサンはレーザーとか聞くと昔のSF映画とか007ゴールドフィンガー?でショーン・コネリ−が台の上に縛られて股の間にビ〜とか?そういう画面が頭に浮かんじゃいます。
2.今回テストしましたのは最近やっと完成しましたいすゞR6クーペ1/43で在ります。元々これは昔作った24の原型をPICZA で読み、MODELAで縮小切削したものを約2年位岸田がいじくって完成しましたが、今度はそれを又読んで24にしたら?という実験もやってみたかったのです。
3. 粘土で写真の様に固定しましてセットしました。
4. スキャンピッチ等の設定は新たに作られた『Dr.PICZA3』で行います。操作はシンプルで使いやすくなってます。
5. 読み込みです。最初はピッチを0.4で行いました。接触式のPICZAでは針が直接物体に触れて取り込むという作業ですから非常に正確に読み込める半面、時間はかかりますが、レーザーを用いている本機の様な非接触式では非常に短時間で読み込み出来ます。画像の様にどんどん画面に形状が出て来ます。例の場合時間はわずか10分弱でした。仮に接触式のPIX30で各面全て読み込んだ場合は当然数時間かかります。
6. 読み込んだデータの描画画面です。前記の様に非接触式の場合は短時間で読み込みが可能な反面、接触式に比べて表面はこの様に荒れた感じになります。
7. ここからが前記した。LPX250に添付されるソフト『PIXF0RM』の出番となります。
8.例えば固定する為に土台にした粘土部分、ここは余分なので取りたい場合、指定ツールで簡単に指定出来ます。
9. 見える部分で削除すれば良い訳で、横に残ってる部分も角度を変えて取って行けば良い訳です。画像で紹介していませんが、取った後を埋めたりも出来ます。
10. フロント部分を拡大するとこの様に表面が荒れています。画像には出ませんがツールを使用して表面をなぞって整形する事が出来ます。
11. これらの作業を行いかなり綺麗なデータになって来ました。ここで少し読み込みが細か過ぎた様な気がしたので1mmで読み込み(時間は3分位)そのデータを重ねてみました。これでかなり良い形になりました。
12.せっかく回転したほとんどの面のデータが取れたので、MODELA PRO650で(回転しながら切削できるマシン)を使用して一度にほとんどの形を切削する事にしました。
13. 切削結果です。前記しました様に当然接触式のPIX-30等で読み込んだデータの方が正確かつ綺麗ですが作業時間は圧倒的に違います。又今回の様な工芸品的なものではこの程度でも充分原型製作の元型になります。
如何でしたか?お知らせですが、実は6月にメーカーさんから公演の依頼を受けましたが、僕としてはせっかく場所を確保して頂けるなら一般のユーザーや熱意在るソフトメーカーの方々にも集まって頂いて、仮称ですが『MODELAワールドカップ』?というのはどーかと思っている。最近とにかく製造業の空洞化現象が凄い勢いで進む中で、少々考える事も在り、『自分で作れなきゃ日本は沈む』MODELA腕自慢発表会デスクトップマニファクチャリング達人が集う祭典!当日質問ヤジ文句御自由に!というノリで音頭を取らせて頂ければと思っております。詳細は次回に御紹介出来ると思います。それでは又!