model cars 62


 前回、酒井正さんが急死された事もあって模型製作過程の紹介は一部自粛した部分もあったのだが、ミノルタマクラーレン模型化計画は、その歴史を本連載で御紹介する事も含めて着々と進んでいる。実車は現在ニュージーランドの*1 Tony Robertsさんの所でヒストリックカーレースにも活躍中だが、そのVTRが*2 宮野さんから届いた。ピットインに展示されていた状態で運ばれた所から始まるVTRは中々よだれもので素晴らしかった。細部は充分判明したので早々製作を始めた。このシャシーNO 04 マクラ−レンM12は元々1969年の11月に日本カンナムにマクラ−レントヨタとして鮒子田 寛選手のドライブで出場したマシンそのもで在る。その辺りの事情を調べる為、メールの中で 宮野さんにお話した様にブラバムお手伝い時代にお世話になったヤマハ発動機の山下隆一様(現取締役副社長)に資料をお送りし、当時のお話等お伺いしたいと御依頼した。秘書課の方に本件経緯をお話し(聞いて頂きまして有難うございました。)直ぐに山下様からメールを頂いた。氏は当時RT55(1600GT)、TOYOTA2000GTの開発御担当で本件記憶に無いとの事、しかし、TOYOTA7のエンジン開発に当初から携わっていらした渡瀬 治朗様を御紹介して頂いた。数日後御連絡を頂き短い時間ではあったがお話をお伺いする事が出来た。オートスポーツ、オートテクニック愛読少年時代からの疑問や当時の状況が判明した事は非常に嬉しかった。同時に誠に僭越では在るがこの様な歴史は欧米ではしっかり文化として残されているのに我が国では非常に限られていて残念だと思った。まっ幸か不幸か?僕みたいな人間が追っかけるしか無いのかな?この時のお話は今後少しずつする予定・・というよりTOYOTA7特集をやる必要在りと勝手に提案する。3L時代からプロトタイプも全部模型作って特集じゃ!又、前回少し登場した*3 牧野さんから鮒子田さんが(現在イギリスでベントレー・ルマンカーの製作に携われている。又、去年のアウディも鮒子田さんの会社で製作され、その会社の役員もされているとの事。)当時の技術者の方にご質問して欲しいと御依頼されたのだが、TOYOTA7開発当時ドライバーとしてハンドリングの改善を常に依頼していたが中々進まなかった。マクラ−レントヨタを当時ドライブして(1969.11の日本カンナムではジャッキー・オリバーのオートコーストTi22に惜しくもポールは取られたが2位の予選タイム)自分の見解が正しい事を確信したとの事、渡瀬様のお話では当時我が国ではアルミモノコックという技術は経験が無く、スペースフレームで無いと強度計算が出来なかったとの事、だからM12を御覧になった時は斬新な印象だったとの事、ハンドリングの問題も当然一日の差が在ったのだろう。という事で今回は基本的なモデルの製作段階と周辺器機の御紹介をする。

Photographs by Naofumi Ibuki

Photographs by Tony Roberts

レストアして行くと下からヤマハのマークそして日本カンナム時の塗装が出て来た。

1969年11月日本カンナム時のマクラ−レントヨタ

トニ−さんのVTR

1.ピットインに展示されていた状態で工場に到着

2.状態は非常に良い

3.エンジンもかかっちゃいます!

4.翌日表に出して、5.前の道路に出して公道を走るM12!

6.ヒストリックレースに出場


ミノルタVIVIDOで寺部を読む

まず今回のモデル製作の手順としては前回表記した様に52号と同じくまず六角大王で写真から大体のフォルムを製作し一度modelaで切削した後、VTR等の資料を参考に整形し、それを3次元スキャナーで読み込んでスケールで切削するという予定だ。52号と違うのは今回はpiczaでは無く、光学式のミノルタVIVIDOを使用するという事だ。当然直接針(プローブ)が対象物に触れて形状を読み込むpiczaの方が正確な形状を読める訳だが、光学式の特徴として読み込み時間があっという間という事も在り、又ミノルタVIVIDOで1972年に活躍したミノルタマクラ−レンを作るという事にもこだわりたかったという事も在った。今回いつも協力してくれている*4 リアルファクトリーでこのVIVIDOのテストをした。対象物は私で在ります。

1.まず模型(1/24の以前岸田が作ったR6)を試しに読み込んだ所、中々良いので、それでは私がと横になる。読み込む時間はわずか1秒弱、読み込むというより写真を撮る感覚と同じ。

2.横になるのは苦しいので、(前回御紹介のsolidthinkingのWIN版はVIVIDOの専用プラグインを持っている)ちゃんと座ってやる事になりまして、

3.正面からスキャンしたのがこれ、光学式の場合当然黒い所は空きますから私のしていたKAMAKURA KENTのネクタイのストライプと髪の毛は空いています。

4. この際上半身全部行ってみようという事で、ネクタイはずして、回転椅子に座り約45度の角度ずつスキャンする。

5.出来ればここで美しい女性かなんかをデータ化してホームページから無料でダウンロードとかやれば、まっ本誌はともかく(既にそういう欲望があがってしまった方も多いかと?)某系列誌の読者層とかには受けるんでしょうが・・申し訳在りませんねー模型オヤジのデータで・・・modela等のプロッターも低価格になっている訳で、近々にはグラビアアイドルとかは当然写真だけでなくデータも売る時代になると私確信しております。H系の動きも活発になるんでしょーね・・・私には見えますアサヒ芸能かなんかの中刷り広告が・・・

6.正面からのデータをmodelaで切削してみましたが、確かに私です。

7.これだけのデータでも我々模型家のノリなら適当に製作出来ますが、現在細部を合わせて修正作業をリアルファクトリーさんではやっています。光学式の場合例えば耳の中とか

その時の周囲の明るさ等から若干あまくなる部分が在る為なのですが、担当の女性は可哀想に一日中私の顔を見ているそうで・・夢に出て来てうなされるそうです。


六角大王マンガモードで基本データを写真から製作

1.52号で詳しく解説したが写真からデータ製作ができるマンガ機能でベースデータを製作する。今回VTR他資料はかなり多く御提供頂いたが、トニ−さんから最初にメールで送られたものの中にフラットに撮影されたものが在ったのでそれを利用してみた。

マンガモードを指定して背景にこの写真を読み込む。

 2.背景に写真を読み込んだ所。この写真は現在レストアが最も進んだ時点のものだがフォルムは同じ、つまり1972シーズンの富士グランドチャンピオンシリーズを戦ったミノルタマクラ−レンで在る。

3.六角大王(2のマンガモード)についての説明は52号か私も協力している専門誌等を興味の在る方は参考にして下さい。安くて(9600円)軽くて(パソコンの性能を要求しない)簡単なお薦めのソフトです。あたしゃ全国の小学校に配るべきかと思います。まず読み込んだ写真をしっかり観察し、左右対象のポイントを指定する作業を始める。今回の写真でハッキリしているのはまず、フロントフェンダー上のフィン、リアウィングである。形をトレースする必要は無い。位置関係を明確にする為、確実に左右対称のポイントをまず指定する訳です。

4.次にフロントの開口部、ゼッケンから中心も指定出来る。

 5.ここで画面では右下に出ている角度設定のインジケーターを回すと入力したポイント、線が3次元の位置関係で回して確認する事が出来る。自動的に背景の写真は消えて見やすくなり、元に戻すと背景写真等元の設定になる。

 

6.ボデイの光りやそれぞれの位置関係から入力ポイントを増やす。左右の位置関係を同一点を指定する事から形状が整って行く。

7.ここまでの指定ポイント、線の確認画面

 8.この程度まで位置関係が指定出来れば、厳密では無いが写真に写っていない部分、つまりあちら側の横部分も推察してポイントを置く事が出来る。細かい調整は次の段階でやれば良い。

 9.最初行ったリァウィングは位置関係を明確にする為行った訳で切削を考えた場合ここでデータ化する必要は無い。むしろ後部の光線からフォルムが出ている部分でデータを製作し、ウィングは別パーツで製作するべきかと思う。設定ポイントしては取ってしまう。

 10.この辺でマンガモードは終わり、左右対象モードに移行する一度移行するとマンガモードには戻れないので一回セーブしておいた方が良い。

 11.左右対象モードで4面図にしたもの。この程度ポイントがおさえられればこのまま作業しても良いし、又、各面に合った画像等を個別に背景に指定してポイントを指定しても良い。(トニ−さんのVTRからキャプチャ−した画像も生かせそうだ)どちらにしても片面だけを指定すれば対象データは作成できる。

以下次号でこれらの作業と指定したポイントを結んで面データとし元モデル切削の工程までを御紹介する。


*1 Mr.Tony Roberts トニー・ロバーツさん

ニュージーランドのオークランドにあるGroup 7という会社を経営されている。本M12の現在のオーナー。現在、マクラーレンのM8A(元デニス・ハルムのマシン)をレストア中。

*2 宮野 滋さん

ご本業は宮野医院 院長、1981年よりイギリスの低燃費ギネスブック

記録レースに出場、現在記録保持者。モータースポーツへの関わりも

深く、本件が始まったきっかけは本誌を御覧になった宮野さんが僕に

メールを頂いた事から始まった。

 

http://www/spheral.com/G-challenge

ブルース・マクラーレン・トラストのホームページ

http://www.bruce-mclaren.com/ です。

*3 牧野弘文さん

60〜70年代の日本のモータースポーツ誌、御自身のスロットカー等熱意を込めてホームページを作られている。本件でも御連絡を頂いた。生沢徹さん協力「帰ってきたTETSU」前記現在イギリスに在住の鮒子田 寛さんの特別企画ページ等満載です。

http://www.ne.jp/asahi/60srace/models/

*4 株式会社リアルファクトリー

小型切削機を利用した新しいもの作りを提案している会社、切削camソフト『クラフトミル』は高い評価を得ている。最新デバイスを用いた試みも積極的で実験する場合はいつもお世話になってます。HPは

http://www.rfactory.co.jp/

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